「水を飲む」ことが脳を活性化させるという研究結果について記事を書きましたが、「水を飲む」ことが認知症にも効果があるとする、気になる書籍を見つけました。果たして本当でしょうか?
ここ5年間毎日、水を飲み続けてきた僕。そして現在アラフィフで今後、高齢者に近づいていく自分にとってその真意について考えないわけにはいきません。
今回は「水を飲む」ことと「認知症」についての書籍、そしてそれにまつわる記事を踏まえながら、その効果についての考察を記事にしていきたいと思います。興味があればぜひ最後までご覧下さい。
認知症と水についての書籍と記事
水と認知症について調べる始めると、すぐにたくさんの記事や本が書かれていることに気づきました。
驚くべきはその内容で、たくさんの認知症の専門家、そして水の専門家がその効果について触れていました。
それは「水を飲むことで認知症が改善する」というものです。
そしてその理論の根源を調べていくと一冊の本に行き着きました。
それこそが「水をたくさん飲めば、ボケは寄りつかない」という僕が知りたいことがそのままのタイトルになったような書籍です。
著書は国際医療福祉大学大学院の竹内孝仁教授で40年以上認知症介護の研究をされている方です。
本では一日に水を1.5ℓ飲むことを習慣にして水を飲み続ければ、認知症は良くなると言う驚きの内容が書かれています。また、認知症とはどういった症例のことを指すのか、そのメカニズムについても解説されています。
そして実際の老人介護施設で、一日に水を1.5ℓ飲むことを実践し成果が上がっているという事実まで書かれており、そのことがテレビでも取り上げられていたようです。
2018年1月のものですが、以下はその内容が書かれた記事です。
「1日に水分を1.5リットル取る習慣をつければ、認知症はよくなります」
そう断言するのは、40年以上認知症介護を研究している国際医療福祉大学大学院の竹内孝仁教授。
「人間の細胞は水がないと作られません。胃で消化吸収された食べものは、タンパク質分解酵素によって腸でアミノ酸に分解されます。そしてアミノ酸は血液に乗って各細胞に運ばれます。このタンパク質の分解作業は水がないと成り立たない。人体からは1日に約1.5リットルの水分が尿として出ていくので、その分を補う必要があるわけです。また、体から水分が失われると血液がドロドロになり、意識障害が起こることも。そうなると認知症も悪化するため、水分補給はきわめて重要なのです」(竹内教授・以下同)
水を飲む――そんな簡単なことで認知症が改善? そこで記者は半信半疑で特別養護老人ホーム「杜の風・上原」(東京都渋谷区、以下「杜の風」)を訪れた。ここでは、入居者が共通して実践していることがあった。それは、水分を毎日1.5リットル飲むこと! 昨年12月22日放送の『爆報!THEフライデー』(TBS系)で「認知症の症状が改善する」特別養護老人ホームと紹介され、話題を呼んだ。
「認知症の夫が、お水を飲んでよくなったのよ」
水を飲みながら、浅田怜子さん(88)がにこやかに語る。浅田さんは昨年、夫(享年92)を看取った。認知症だった夫は階段の上り下りができないほど体力が落ち、夜間のトイレのたびに怜子さんを起こしていた。しかし「杜の風」に入居して水分を1.5リットル飲むようになると、まず、夜中のトイレがなくなった。昼間は歩行器を使ってトイレに行けるようになったことで、次第に階段の上り下りもできるほどに回復。最後は自宅に戻ることができたという。
「お水とリハビリのおかげです。私もこちらに来るようになってから、毎日1.5リットル飲んでいるのよ」(浅田さん)
「杜の風」では入居と同時におむつを外し、トイレで用を足すよう促す。最初は職員の介助を必要としても、次第に歩行器を使って自力でトイレに行けるようになるという。
「水を飲むとトイレ介助が大変になると思われがちですが、実は反対。高齢者はトイレを気にし、水分不足になっていることが多い。水分不足で頭がぼんやりすると、大脳から『我慢しなさい』という指令が途絶えます。その結果、括約筋が動かなくなり、ぼうこうにたまった尿が反射的に出るのが尿失禁です。水分不足が解消されると脳が尿意を認識できるようになるので、尿失禁が減る。生活のリズムが整うことで夜も深く眠れ、夜中のトイレの回数も減ります。介助者の負担も軽くなるんですよ」(竹内教授)
排便もトイレでできるようになる。高齢者は下剤を服用していることも多いが、たいていの場合は十分な水分摂取で下剤は不要になる。「朝ごはんの後にお通じ」という正しいリズムが戻ってくれば、排便時の失敗も減るのだ。
この“トイレ活動”は認知症以外にもよい効果をもたらす。山下敏子さん(84)は、’14年3月に「杜の風」に入居したとき、膝の痛みで歩くことが困難だった。しかし飲水法を始めて以降、尿意を感じたときに自力でトイレに行こうと、職員の手を借りて歩くようになる。毎日訓練を続け、1年後には要介護4から2となり、歩行器を使って一人で歩けるまでに改善した。
「一人でトイレに行けるようになったことが自信となり、歩く距離が伸びます。これが寝たきりを防ぐことにつながるのです」(竹内教授)
水を飲むだけで実際に歩けるようになった人に出会ったことで、更年期世代の記者も今から1.5リットル飲水を始めることを誓った。
記事ソース https://jisin.jp/life/health/1618423/
この記事を読んで認知症予防に効果があり、しかも一度認知症を発症した人さえその症状が改善されたという事実と、そのエビデンスの高さに驚かされました。
そして大きな驚きと同時に深い納得感を感じていました。
まさに僕が5年間行ってきた「水を飲みつづける」ことで感じていた、水を飲むと頭がスッキリして、仕事がはかどるという実感を裏付けるような内容だったからです。
それは誰にでも分かるシンプルで普遍的なメカニズムでした。
水を飲むことで認知症が改善される。そのメカニズムとは?
「水をたくさん飲めば、ボケは寄りつかない」によれば、認知症のメカニズムはとてもシンプルかつ普遍的と呼べるものでした。
その原因とは誰にでも起こりえる「脱水症状」です。これは老化による認知症そのものが体内の水分が失われていく過程であるという考え方からくるものです。
人間の身体の大半(約60%)が水分で作られているという事実は誰もが知っていることですが、この水分量は年齢を重ねるにつれて減少していきます。
子供の水分量 | 大人(成人)の水分量 | 高齢者の水分量 |
75% | 60% | 50% |
これは加齢とともに水分を貯めやすい筋肉が減り、逆に水分を貯めにくい脂肪が増えることによるもの。
そして高齢になることで腎機能が低下することで水分をより多く排出してしまうことも。
また高齢者は感覚機能の衰えにより喉の渇きが感じにくくなることもあり、長時間水分を摂取しないままで過ごしてしまいがち。
さらにトイレに行く回数を減らすために意図的に水を飲まなくなることも起こりえます。
こうした条件が重なることで特に高齢者は脱水状態になりやすく、それが認知症の引き金になっていくといいます。
人間は体内の1%の水分が失われるだけで、意識がぼんやりしてきてさらに症状が進むと意識障害になると言われています。その状況が継続し積み重なることで認知症を育ててしまうということなのです。
この状態を改善することはとてもシンプルですが「水を飲む」ことです。
これは認知症の方はもちろん、脳の働きを活性化したい僕のような仕事をしている人間も、また認知症を予防したい全ての人が普遍的に習慣化すべきことだと感じました。
「水をたくさん飲めば、ボケは寄りつかない」の中にも書かれているように、1日にコップ3杯しか水を飲まない人は、6杯以上飲む人よりも5%程度物忘れが多いことが分かったそうです(約4,800人の65才以上を対象にした調査より)。
ちなみに体内の水分1%は体重60㎏の人で300㎖に相当します。
そして人間は一日を過ごす中で排泄や汗、呼吸などでその水分を2000〜2500㎖失うと言われています。これは1時間つき約100㎖に相当する水分量ということになりますね。
この場合どれだけの水が一日必要になるかというと、食事で摂れる水分500〜700㎖を一日で失われる水分2000〜2500㎖から差し引く計算になります。
つまり1500㎖〜1800㎖となり、まさに「水をたくさん飲めば、ボケは寄りつかない」の中に出てくる「1日に水分を1.5リットル取る習慣をつければ、認知症はよくなる」という理論を裏付ける数値となります。
「水をたくさん飲めば、ボケは寄りつかない」にはさらに認知症予防に必要なこととして以下のこともあげています。
✔️ 尿失禁を改善するために水を飲むこと
✔️ 便秘も水を飲むことで改善すること
✔️ 適度な運動(ウォーキングなど)の必要性
これは認知症予防に対して「水を飲むこと」と「適度な運動」と「正しい排泄」は密接なつながりをもって影響し合っているということに他なりません。
この考えに深く共感できるのは、認知症だけではなく人間が生きていく上で、とても分かり易くシンプルで普遍的な考え方だからではないでしょうか。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
「水を飲むことで認知症予防!?そのメカニズムと効果を解説」いかがでしたでしょうか?
関連して、水を飲むことで脳の活性化につながるという記事も書いておりますので、そちらもぜひご覧下さい。
この記事が皆さまのお役に立てる情報であれば幸いです。